高級感を感じさせる要素が少ない
では、そのクオリティや価格妥当性をどう評価すべきか。フードアナリストの重盛高雄氏はいう。
「まず『炙り醤油風 ベーコントマト肉厚ビーフ』は一言でいうと物足りなさを感じます。確かに肉は厚めですが、メニュー写真と比較して野菜の量が少なく存在感が薄いため、ソースの強い濃さを中和してくれることもなく、シャキシャキ感で食感を豊かにしてくれることもありません。客が購入する際に抱く『こんな感じなのではないか』という期待が悪い意味で裏切られるという印象です。また、『炙り醤油風 ダブル肉厚ビーフ』はとにかく食べている間の肉とチーズの油感が強すぎて、野菜が口の中をリフレッシュしてくれるということもありません。
同じく高価格帯のバーガーとしては昨年10月にコメダ珈琲店が期間限定で発売した『コメ牛』(並:840~930円)が話題となりましたが、見た目とは裏腹に味付けがほどよく、ふんわりしたバンズに適度にタレがしみ込んで、さっぱりとしていて、ワンランク上の価格設定でも納得できる仕上がりになっていました。それと比較すると、サムライマックは高級感を感じさせる要素が少ないと感じます。
また、同じマクドナルドのグラコロはサクサクのコロッケを潰さない柔らかなバンズで、単にバンズがコロッケを挟んでいるという感じではなく、口に入れるとコロッケとバンズのハーモニーと優しい味、一体となった食感が広がり、期待を裏切らない味となっていました。同程度のお金を払うのであればサムライマックよりグラコロのほうが納得感が高いのではないでしょうか」