男女の性行為でも、求愛表現の一つとして「甘噛み」くらいすることはあるかもしれません。
しかしサメの甘噛みはやはり一段レベルが違うのです。
特にオスは行為中にメスの体を固定しておくため、相手に噛みついてホールドし、時にメスの肉を引き裂いてしまうことすらあります。
またメスの方も負けてはおらず、オスに噛みつき返すのです。
さらに米デラウェア大学(University of Delaware)らの最新研究で、野生下のサメの咬み傷を調べれば、彼らの性行為がいつ盛んになるかも当てられることがわかりました。
では過激すぎるサメの性生活に迫ってみましょう。
研究の詳細は2024年12月4日付で科学雑誌『Environmental Biology of Fishes』に掲載されています。
目次
- 性器が抜けないようメスに噛み付く
- 咬み傷から性行為が盛んになるシーズンを特定!
性器が抜けないようメスに噛み付く
サメの性生活は気の弱い人向けの世界ではありません。
魚類の多くは、哺乳類などとは異なりメスの生んだ卵にオスが精子をかけることで性行為が成立します。
しかし、サメの多くは胎生で体内に子供を宿しある程度育ってから産み落とします。
そのためサメは哺乳類のように、オスが自らの性器をメスに挿入するのですが、彼らは常に水中を泳いでいるので、気を抜くと性器の方も簡単に抜けてしまいます。
そこでオスはメスの体を固定しておくため、相手にがっつり噛みついてホールドしておくことが以前から知られていました。
こちらは豪州に拠点を置くウルフロックダイブセンター(Wolf Rock Dive Centre)によって撮影された実際の貴重な映像です。
ただ野生下でこのような光景が観察されるのは極めて稀であり、過去の科学文献を調べても、交尾中のサメの噛みつきを捉えた研究はほとんどありません。