■一時的なタイムスリップなのか?

 ここまで紹介してきたのは「ローアム蜃気楼」目撃情報のほんの一部であり、同地域ではきわめて有名な伝承として、数々の体験談が存在する。歴史家で超常現象の研究者であるカール・グローブ氏は次のように述べている。

「1860年以来、少なくとも20の家の目撃報告があったようです。私の見解では、報告されなかった目撃はおそらくはるかに多いでしょう。ローアムのほとんどの人は、邸宅を見たことがある人か、または邸宅を見た人を知っていますが、多くは詳細な情報が不足しています。そして遠方からの訪問者や車で通り抜けるだけの人々は、たとえそれを見たとしても、何ら異常なものではないと思っているはずです」(カール・グローブ氏)

 興味深いことに、目撃者が話す邸宅の外観は基本的に同じ、且つそれまで「ローアム蜃気楼」の話を聞いたことがない目撃者が説明する邸宅の外観もきわめて似通っているということだ。

“パラレルワールド”か“場所の記憶”か? 160年前から忽然と現れては消える邸宅の謎!
(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

 では、同地でいったい何が起きているのか? 「ローアム蜃気楼」を説明する最もミステリアスな理論の1つは、それがいわゆる「タイムスリップ」であるというものだ。時空が希薄なスポットでは、場合により過去の光景を見ることができるという説明である。この場合、人々や建造物、さらには町全体が過去から現れ、しばしば本物の質感に見えるが、次第に薄い空気へと消えていくという。

 また、この邸宅が「場所の記憶」と呼ばれるものの実例だとする理論もある。特定の場所に過去の光景が記録されており、それがフィルムのように浮かびあがり何度も再生されるが、あくまでも特定の条件下で特定の人々に向けてのみ示されるということだ。

 さらには、パラレルワールド説、幻覚説、誤認説から、嘘やデマというものまで、考察は枚挙に暇がない。ここで実際のところ何が起きているのか、そして、どのように説明できるのか。答えが何であれ、「ローアム蜃気楼」はこの地域に特有の伝承であり、この先もミステリーであり続けるのかもしれない。

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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