出世競争
総合商社は出世競争も激しいといわれる。
「人によりますが、分かりやすい露骨な出世競争というのはみられません。ただ、今は同期入社組のうちで半分しか課長になれず、さらにそのうち部長になれるのは一握りで、課長になれないとずっと担当者のままだったり、子会社に出向させられることになるので、それなりにはシビアだとは思います。また、総合商社の役員になると年収が数千万円に上がり、権限も大きくなり、社会的な地位も高いので、部長になるとみんな役員を目指すことになり、レベルの違う出世競争が存在します。ただ、メガバンクのような露骨で目に見える熾烈な出世競争というのは、あまりないように感じます」
「一昔前と比べると出世競争というのは随分なくなりました。今の時代にそぐわないと言ってしまえばそれまでですが、どこの商社も残業規制が厳しくなって労働時間が減り、担当者レベルでもそれなりに高い年収を得られるので、必然的に出世競争というのが生じにくくなっている面はあるでしょう。今の20~30代の社員はゴリゴリと出世を競うということに抵抗があります。また、ビジネスの内容が非常に複雑化してきており、いろいろな人のスキルや能力の助けを借りないと事業を成り立たせて利益をあげられないため、社内的には競争よりも協力・強調が重視されるという要因もあるかもしれません」