一方の参議院選を含めた国政における最大のテーマは誰が誰のために政治をするのか、また、財務省が見えざる手で支配し続けるのか、であります。個人的には自民党が推し進めた保守、特に地方政策は長期にわたり「安定的後退」をもたらしたと思っています。その最大の問題の一つはJA(農協)であります。私から見れば農協と農家の関係、さらには自民党が寄り添うその特殊な構造こそ日本がより高い生産性と農業の活性化を拒んだ一つの要因だと考えています。

地方は保守的になりやすいというのは世界どこを見ても同じです。ただ、見方を変えれば日本では地方を地方という枠組みに押し込んでしまったからではないか、とも思えるのです。

日本の国土はアメリカやカナダのような広大な国ではありません。それ以上にきめ細かく張り巡らされた交通網で地方から主要都市に出るのは極めてたやすく、また日本人はアメリカ人やカナダ人よりも人の往来が激しいです。とすれば地方と都市部の根本的意識差はアメリカを含む他国ほどではなく割と近い関係にあるのではないでしょうか?その視点に立てば国政からみた地方の捉え方も今までのような自民党のやり方がデフォルトではないと思うのです。

玉木雄一郎氏はワンイシュー型戦略でその知名度を大きく伸ばしました。日本の政治について語るとき、主要政党が並べる5つ、6つもの政策提言見せられても多くの国民は???なのだと思います。自分が一番困っている「これ」に焦点を当てた選挙戦が今年の選挙戦も制するとみています。

国民民主・玉木代表と維新・前原共同代表 国民民主党HPより

わかりやすい例えで言うと自民から共産までの主要政党は総合型です。だけど最近は特定目的の政党がウケることも多いわけです。海外ではあちらこちらの国にある「緑の党」がその好例でしょうか?大手自動車メーカーはさまざまな種類のクルマを出すけれどテスラはEV一本勝負でした。これはマスク氏が会社を立ち上げる際に大きな議論になったと何かで読んだことがありますが、結局それが勝利したのはわかりやすさと全員をターゲットにしていないことではないでしょうか?