なかでも大きな活躍を見せたのは2年生のMF乾貴士(現清水エスパルス)と3年生のFW青木孝太(元ジェフユナイテッド千葉)だろう。2年生ながらレギュラーとして大会に出場した乾は、その後横浜F・マリノスでプロデビュー。セレッソ大阪やスペイン1部SDエイバルなどでもプレーし、日本代表としても36試合に出場している。
3年生ストライカーの青木は背番号9を背負い、優勝の立役者としてプレー。その後は千葉でプロデビューし28歳で現役を引退している。近年、野洲は全国の舞台から遠ざかっているが滋賀県を代表する名門校の復活に期待したい。
広島皆実高校VS鹿児島城西高校(第87回大会決勝戦)
2009年1月12日に行われた第87回大会の決勝戦は、広島皆実高校(広島県代表)と鹿児島城西高校(鹿児島県代表)がいずれも初優勝を目指して対戦。鹿児島城西は準決勝までに27得点と圧倒的な得点力を見せており、FW大迫勇也(現ヴィッセル神戸)が大会通算10得点で同大会における歴代最多記録を達成し『大迫半端ないって』の名言が生まれたことでも有名だ。
試合は前半20分に鹿児島城西が大迫のゴールで先制。城西の得点力が決勝戦の舞台でも爆発するかと思われたが、23分に広島皆実が同点に追いつき33分には逆転に成功した。後半は両チームそれぞれ1点を挙げ3対2で広島皆実が勝利し、見事初優勝を飾った。
広島皆実は決勝戦までの失点がわずか1。決勝戦では2失点こそしたものの圧倒的な得点力を誇る鹿児島城西をチーム全員の集中した守備で抑えた。大会を通し「堅守速攻のチーム」から「得点も取れるチーム」へと進化したと言えるだろう。
青森山田高校VS大津高校(第100回大会決勝戦)
2022年1月10日に行われた記念すべき第100回大会の決勝戦は、青森山田高校(青森県代表)と大津高校(熊本県代表)の対戦カード。キャプテンのMF松木玖生(現ギョズテペSK/トルコ1部)を中心に3度目の優勝を目指す青森山田に対し熊本県勢として初の全国制覇を目指す大津の戦いは、青森山田がDF丸山大和(現東海大学)のゴールで先制すると前半終了間際にはFW名須川真光(現順天堂大学)が追加点を挙げ2対0。後半には松木もゴールを決めるなど最終的に4対0で青森山田が勝利した。第98回大会から2年連続決勝戦で敗れ準優勝に終わっていた青森山田が、3大会ぶり3度目の高校ナンバーワンに輝いた。