日本の消費文化というのは非常にメリハリが効いているというか、背伸びと緊縮のコンビネーションだと思うのです。金がない、と言いながらあるところでは大盤振る舞いをする、それに対して各々が理由付けをして消費を重ねるのです。「今日は〇〇だから、ええーい、使っちゃおう」っていう具合です。キャバクラでシャンパン タワーするのもその流れ。この感性は海外にはあまりないと思います。

一年の計でマネーについてトークする場合、90%はいかに殖やすか、という話だと思います。私はまず、自分の消費癖をみることから始めるべきだと思います。これは節約をしようという話ではなく、自分の収入に見合うバランス消費を意識すべきだと考えています。

先日、私は飛行機のビジネスクラスには乗らないが電車のグリーン車には乗る、と申し上げました。理由はエコノミークラスの最安値の4倍、あるいは価格差30万円をビジネスクラスに払う意義があるのか、という点で私はNOだと考えたのです。ビジネスは疲れないよ、といいますが、それはセールストーク。時差をいかに調整するかが本質的に求められることだし、ビジネスクラスの食事とエコノミークラスのそれとの原価の差はせいぜい2-3倍で数千円程度です。(私は以前、飛行機のケータリング事業を担当したことがあるので価格差は知っています。)わずかのサービスの違いに対して100倍のお金は払えない、ということです。こういった意識を消費活動の中ですることが大事だと思うのです。

殖やし方については人ぞれぞれの性格に見合ったものにするしかないと思います。大きく増やしたいならリスクは有れど株式などの投資だし、1円たりとも損はしたくないなら定期預金でしょう。大きく増やした人もちょっぴり増えた人も自分で選んだ手段だけに1年後、3年後、5年後にそれぞれ満足なり納得なりしているはずです。あの人は2倍に殖やしたということに嫉妬すらしないでしょう。