サイコパスを見分けるのは、専門家でも容易ではない。しかし今回、トリノ大学の研究者たちは、ある特徴がサイコパス傾向と関連していることを発見した。それは、「独身」であることだ。独身者は、サイコパスや「マキャベリ主義」的な特性のレベルが高い傾向があるという。
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独身者はサイコパス? 性格特性と恋愛の関係
研究者たちは、2023年7月から10月にかけて、平均年齢41歳の成人1101人を対象に調査を実施した。参加者は現在の交際状況について質問され、様々な心理テストを受けた。最初の分析では、「ダークトライアド」と呼ばれる3つの性格特性(サイコパシー、ナルシシズム、マキャベリ主義)についてテストが行われた。
サイコパシー: 衝動性、感情の欠如、他者への無関心
ナルシシズム: 優越感、賞賛欲求、誇大性
マキャベリ主義: 他人を操ること、冷笑的であること、他人を犠牲にしてでも目的を達成しようとすること
分析の結果、交際中の人は、サイコパス的、マキャベリ主義的特性のスコアが低いことが分かった。サラ・ベッジ博士は、「性格や恋愛観が、交際状況に影響を与えているようだ」と述べている。研究論文はHeliyon誌に掲載された。
これらの特性を持つ人は、人間関係を築き、維持するのが難しいのかもしれない。先行研究でも、ダークトライアドの特性を持つ人は、安定した関係よりも、一時的な関係や性的な関係を求める傾向があることが示されている。
ただし、ナルシシズムは例外で、交際している人の方がスコアが高かった。ナルシシズムの人は、初期段階では魅力と自信で関係を築きやすいが、長期的な関係は、尊大さや優越感、共感性の低さなどが原因で難しいようだ。