黒坂岳央です。

古代ローマのウェルギリウスの名言に「誰もがそれぞれの地獄を背負っている」というものがある。これは「他人から見たら幸せに見えても、本人にしかわからない苦労や生き辛さがある」という教訓であると認識している。だが現実問題、隣の芝生は青く見える現象に苦しむ人は大変多い。

この名言を理解することで、人生はずいぶん生きやすくなると思っている。個人的に好きな言葉なので取り上げたい。

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他人の地獄を想像しなさい

お正月、親戚の人から「あなたは何かと恵まれていてうらやましい」と言われた。どうやらこの相手からは仕事も家庭も人生がうまくいっているように見えているようである。そしてそこで話は終わらなかった。「それに引き換え自分は理不尽な苦しみばかり。本当に運が悪いよ」と続いた。

その時に本稿のタイトルの言葉を思い出したのだ。みんな自分の地獄をよく知っているが、他人の地獄を想像できないしそもそも存在を信じようとしない。地獄は自分一人が味わっており、他人は極楽浄土にいると思い込んでいるのだ。

だが筆者は知っている。普段、明るく前向きな人もわざわざ自分の地獄を言わないだけであるということを。他人から見てどれだけうまくいっているように見えていても、形を変えて地獄は一生続くのが普通である。

今回の件のように「あなたは恵まれていてうらやましい」と無理解なことを言われても、いちいち取り立てて反論などしない。理解してもらえるという期待値が0だからだ。だがどうしても、他人には軽々しく同じことをいう気にはなれないのだ。

人生という地獄を楽しむ力

サラリーマンの頃、独立をすれば天国が待っていると思うものだ。しかし、実際に独立後は別の地獄が待っている。

独身で結婚願望が強い人は、好きな相手と結婚したら天国が待っていると思うだろう。しかし、そこには別の地獄が待っている。