歴史を変えた「おなら」がある。ある状況下で放たれた1発のおならが1万人の命を奪い、また他方ではおならが反乱を引き起こし、時のファラオを失墜させたというのだ。
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■おならが原因で1万人が命を落とす
帝政ローマ期の歴史家にして軍の指揮官でもあったフラウィウス・ヨセフス(37〜100)は、西暦75年の著書『ユダヤ戦争(The Jewish War)』で、反ユダヤ主義者のローマ兵について説明している。そのローマ兵のおならが、1万人の死をもたらしたというのだ。
神殿の前の広場で過越の祭り(すぎこしのまつり)を祝っていた多くのユダヤ人の前に、そのローマ兵は現れたという。
「衣服をまくり上げ、下品な姿勢で身をかがめ、お尻をユダヤ人に向けると、そのような姿勢で予想されるようなものを放ちました」(著書より)
この兵士の行動にユダヤ人たちは激怒し、何人かは兵士とその同僚に石を投げはじめ、暴動にまで発展する。そして鎮圧部隊が神殿に到着して暴動を制圧したが、多くのユダヤ人が踏みにじられて亡くなったという。その数は1万人にものぼったのだ。