調整のための445日

 新しい暦に移行するためには、従来のローマ暦で蓄積されたズレを一度に修正する必要があった。この結果、紀元前46年は特別な調整年となり、445日という異例の長さとなった。この特別な年は「混乱の年(Year of Confusion)」とも呼ばれ、農業や商業、さらには宗教的な行事にも混乱をもたらした。

 カエサルの改革により、ローマの暦は太陽年と一致するようになり、その後の暦制度の安定化に寄与した。実際、このユリウス暦は16世紀後半にグレゴリオ暦が採用されるまで、ヨーロッパ全域で使用され続けた。