黒坂岳央です。

「今準備中ですが、いつか必ずやろうと思っています!」

これまで数え切れないほど聞いてきたセリフがこれだ。

熱く願望を語る人の気持ちを挫く趣味はないので否定はしない。だが、現実問題、準備して実行に移した人を自分がほとんど見たことがないのだ。

本稿ではその原因を論理的に取り上げ、ではどうすれば解決できるのかを考察する目的で書いた。

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準備のまま終わる人が見落としていること

「今準備をしています」という人が一生準備中のまま、行動に移さない理由を考えたい。

まず、準備で終わる人は人間感情の脆さを知らない。人間の感情は瞬間的に高出力となり、そして持続せずすぐに消えるという性質を持っている。

たとえば誰でも侮辱をされたら、怒髪天を衝くような激しい怒りに打ち震えるだろう。しかし、24時間以上に渡って同じレベルの怒りを持続することはほぼ不可能に近い。

「脱サラして起業したい」といった規模の大きな願望も同様である。会社で嫌な思いをして「こんな会社やめてやる!」と瞬間的に考える。だが、実際に退職届を出し、開業届を提出するという行動に至るまでにその感情は雲散霧消する。

準備で終わる人は今、瞬間的な感情を捕まえて「今準備中だがいつか実現する」と言っているのだ。感情でなんとかしようと思っている内は実現しないと考えた方がいい。

持続的な行動、そして願望成就とは感情ではなく、環境整備と習慣化の技術の合せ技で実現するものだからだ。

理想は「走りながら考える」

ではどうすればいいか?それは「まずやってみる。そして走りながら続ける」である。これは習慣化の技術の一つである。

もちろん、最低限の準備はする。たとえば登山を趣味にしようと考える場合、クロックスとTシャツで挑むのはさすがに無謀である。だが、最強装備を整えて「いつかエベレスト登頂を」となれば、間違いなく一生準備中で終わる。