期待してそれが叶わないと怒る、というのは執着によるものだ。相手を信用し、尊重もするが、期待は一切しない。これは矛盾せず成立する。そして執着の解消には期待を捨てることである。
期待をやめたら人生は生きやすくなる昔、筆者はよく怒っていた。すべてにおいて相手への期待値がものすごく高く、「こんなにやっているのだからわかってほしい。認めてほしい」という具合に。
だが、今はまったく期待はしない。相手は相手の論理や合理性で動いており、まず彼ら自身を優先するのが普通。だから自分のことはすべて独力でやる、という思考である。
収入を高めたければ、黙って昇給を期待するのではなく転職や独立、投資をする。
自分をわかってほしいなら、まず相手を理解した上で交渉をする。
何者かになりたければ、リスクを取り、勤勉に学び、そうした努力を年単位で継続する。非凡な人生を続ければ、やがて非凡な事が起きる。
結果はすべて自分次第であり、周囲には期待しない。そうすることで腹も立たない。思いがけない親切に対して「このくらいやってもらって当たり前」ではなく、「嬉しい!ありがとう!」と素直に喜べる。
執着は必ず自分自身が作り出している。そして執着しても幸せになることは難しい。最初は「ありがたい」と思っていても、やがて「このくらいやってもらって当たり前」に必ず変わるからだ。執着を手放せば人生はその日から楽になる。
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本質的に人間は一人で生まれ、一人で死んでいく。自分の人生を作るのは最初から最後まで自分だけである。そして思いがけない周囲の助けがあるならば、その時は目一杯感謝の気持ちを伝え、さらに自分が幸せになったなら次は周囲にお返しをしていく。これで十分だろう。
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