TBS
TBSは12月23日(月)、5時間におよぶ『最前線!密着警察24時 年末年始特別警戒SP』(4時間57分)を放送した。冒頭は千葉中央署の警官が住宅街でリードから離れた犬を「わんきゃっちゃー」という捕獲道具で捕獲を試みるという場面から始まる。さらに京都の白バイ隊員の交通違反取締り、電動キックボードの酒気帯び運転などの取締りなどの後で、沖縄県警がコインランドリーで下半身裸の男について通報を受け駆けつけるといった珍事に遭遇する。「パンツは2枚買いなさい」「100均でも売っている」などと警官が注意する場面も出てくる。こうしたハプニング、社会にはいろいろな人間が生きていることがわかるし、人間くさいシーンといえなくもないが、5時間もかけて放送することなのかという疑問を感じた。この他、自販機荒らしの容疑者を張りこみ捜査などで捕まえるシーンなども出てくるが、前述の日本テレビの番組に出てきた今日的な犯罪と比べると、スケールが小さいものばかりだった。5時間もかけて報道したのに、残念ながら内容はあまり深いとはいいがたいものだった。制作会社はSOLIS produce。
こうやって各局の「警察24時」番組を検証してみると、テレビ東京の不祥事発覚以降、日本テレビのように「(その後に起訴・不起訴になるかどうかの情報を入れるように)より丁寧な番組制作」や「(特殊詐欺や若者の自殺願望など)より報道的な意味がある番組制作」へと舵を切るテレビ局もある一方で、相変わらず警察官に密着しているだけで従来と変わらない局(TBS、フジ、テレ朝)があるということが見てとれた。逮捕で終わりではなく、その後に不起訴になるケースもあることを考えると、日本テレビのようにその後の処分まで見届けた上で放送することが本来は望ましい。加えていえば、報道番組として、きちんと内容がある警察密着ドキュメンタリーになっているのかを精査して放送するということもしっかりやってほしい。
テレビ東京の問題を審理するBPOの各委員会による結論は、2025年前半の早い時期に出るだろう。その時に合わせて、この「警察24時」モノというドキュメンタリーのジャンルがもっと視聴者にとってもためになる番組になるように、各テレビ局が番組の品質を向上させることに期待したい。
(文=Business Journal編集部、協力=水島宏明/上智大学文学部新聞学科教授)
提供元・Business Journal
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