「すずめ」の本名は岩戸鈴芽。「鈴芽」は「アマノウズメノミコト」に由来します。彼女の住む町は港町でしたが高千穂と同じく宮崎県。ここに脚が1つない壊れた椅子があるなんて、何だか不思議な縁を感じます。
天安河原は岩戸川の脇に設けられた側道を歩いた先にあります。渓流の水は透明できりっとした冷たさを感じます。
しばらく歩いていくと岩がくりぬかれたようにぽっかりと空いた大きな穴にたどり着きました。これが天安河原。天照大神が岩戸にお隠れになった際に神々が集まって相談を行ったとされる洞窟です。そんな謂れのある場所ですのでご祭神はここに集まった八百万の神々です。
天安河原の周辺はかなり石が多くなっています。ここに祈願に来た参拝者たちが石を積みだし、賽の河原のような神秘的な光景を生み出しています。
東本宮天安河原を参拝すると西本宮を出て川を渡り、今度は対岸の東本宮を参拝します。天安河原からだと15分くらい歩くので天岩戸神社を参拝するときは時間に余裕を持っておくことが必要です。こちらのご祭神は天照大神。天岩戸から引き出された天照大神が最初に住んだ場所を祀った神社とされています。
天照大神を岩戸から引き出したアマノウズメが鳥居の前にいます。じっとみていたら動き出したのでびっくりしました。からくり人形のようです。
東本宮は石段を登って上へ上へと向かいます。山上に登ると木立の中に静かに佇む拝殿が現れます。天安河原があり参拝客がひっきりなしに訪れる西本宮とは異なりこちらは人影もまばら。その分静まり返っていてより一層神秘性を増しているような気がしました。
拝殿の裏にご神水がありました。この地からこんこんと湧き出る湧水です。参拝の最後にしっかりと手を洗い、清々しい気持ちで東本宮を後にしました。
日本神話に所縁の深い天岩戸神社。その後天照大神の孫、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)は天上界の高天原(たかまがはら)から地上を統治するため高千穂の地に降臨します。そしてその子孫が初代天皇である神武天皇となりました。