以上のことから、「仕事を頑張るより、サボる方がコスパがいい」といった意見に自分は全く賛同できないのだ。
「経営者や株主を喜ばせるために働くのはバカらしいから手を抜け」というのは、ひねくれ者で心が歪んでしまった人の意見に聞こえる。別に彼らが喜んでも自分は損をしないし、むしろ上司に認められればよりハイスキルの仕事を任されるので手を抜くより頑張った方がどう考えても得である。力をつけて自分が経営者やフリーランスになったり、投資家になればいい。だが、腐って何も努力をせず、その結果、ビジネススキルや実績がなければ何も始まらない。
サラリーマンを辞める人の動機そして自分を含め、サラリーマンをやめて独立するような人は「搾取されるのが嫌だから」ではなく「自分のやりたいことが独立しないとできないから」という理由の方が圧倒的に多いだろうと考えている。
これには意識調査の統計データなどが存在しないので肌感覚でしかないが、少なくとも自分の周囲の経営者、フリーランス、投資家の中には「自分やりたい仕事に集中したいから起業した」とか「投資が好きで好きでたまらないから、1日中相場にピッタリ張り付きたいから」という動機の持ち主とばかりと接してきた。
自分がサラリーマンをやめる時、「搾取されるのが嫌でやめた!」という被害者意識はまったくなかった。むしろ、会社ではあまり貢献できないことも多かったのに、それでも周囲は優しくしてくれて、自分に安定的に給与を支払ってくれてたくさんのスキルや経験を積ませてくれた。本当にありがとう!という気持ちである。今もそれは同じだ。
サラリーマン時代に身に着けた仕事の進め方とか、ビジネスコミュニケーションスキルは独立した今もすごく役に立っている。
仮に自分が「自分は搾取されている気の毒な存在なのだ」と思い違いをさせられたら、それは不幸でしかないだろうと思う。日々の仕事にやる気を失い、スキルアップをして転職をしてより良い仕事を見つけ、ドンドン上を目指したいという考えをへし折られていただろう。かといってそれを聞いて独立できるわけでもない。メリットは皆無である。故に話を聞くべきでないと思うのだ。