これと反対に、最後に生まれた末っ子は、親の育児経験が豊かになったタイミングで生まれるため、長子よりもいい意味で力の抜けた教育をする傾向があります。
それゆえ、末っ子は伸び伸びと育つことがあり、マイペースで行動する自由奔放さと、この自由さから生じるクリエイティビティ(創造性)に優れるケースが多いです。
その反面、親や兄姉に助けられたり、頼ったりする機会も多いため、「可愛がられる存在」として甘えん坊になることも多いとされます。
しかしこうした長子や末っ子に比べて、不遇の立ち位置に置かれやすいのが真ん中に生まれた「中間子」です。
これは一般的に「中間子症候群(Middle Child Syndrome)」という呼び名でも知られています。
中間子症候群とは、長子や末っ子に比べて中間子は親から異なる扱いや見られ方をされるという考え方のこと。
特に中間子は長子や末っ子に比べて、親からあまり目をかけられないため、兄弟姉妹の中でも「頼る存在なのか、頼られる存在なのか」どっちつかずになりやすい傾向があります。
そのせいか過去の統計研究によると、中間子は家族よりも家族以外の友達や知人との付き合いに重きを置き、実家から自立するのも早いという結果が示されています。
ただこうした「出生順」と「人格形成」との関連性はあくまで統計的に示唆された傾向に過ぎず、確かな証拠はないとする研究者たちの意見も少なくありません。
そこでブロック大学らの研究チームは今回、この手の研究としては最大規模となる70万人以上のデータを使い、改めて「生まれた順番が人格形成に及ぼす影響」を調査することにしました。
中間子が最も「協調性」に優れていた!
本調査は英語圏に在住の70万人以上から収集した大規模データを利用し、兄弟姉妹の中での生まれた順番、家族の人数、および性格特性の評価アンケートの回答を比較分析しました。
さらにこのデータと別に、約7万5000人の他のボランティアにも同様のアンケート調査に回答してもらっています。