■ 実際に登録可能なサイトをのぞいてみたら……随所に杜撰さが垣間見えた

 次に、サブスクサイトのサービス自体も詳しくみていきましょう。月額250円も550円も払う価値はあるのか?

 一覧はau、docomo、SoftBank、その他の四つのカテゴリーに分かれており、使用しているキャリアによって推奨されているサイトが異なっています。

 筆者は「その他」に該当するので、「その他」のカテゴリー内にある2種類のサイトの中から音楽系のサイトを選びます。

「いいね」されたら景品GET? 怪しさ満点のXアカウントにホイホイついて行ってみた
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 遷移したのは音楽配信サイト。凝った雰囲気ですが、なんとなくダサさが拭えないデザインです。配信楽曲についても「最新HIT曲」に60年代の曲が表示されているなど、杜撰さを感じます。そして楽曲を聞こうとすると「当サイトをご利用するにはログインをしていただく必要がございます」との文章が。

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(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 トップページに戻り、「会員登録はこちら」というピンク色のバナーをタップすると、クレジットカード情報の入力を求めるページに飛びます。怪しさしかないので、もちろん入力はしません。

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(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)
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(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 「マイル」のポイントページに戻り、今度は別のキャリアユーザー向けのサイトの中から1つ選びます。auユーザー向けのサイト一覧にあったクイズ系のサイトを選んでみました。

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(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 こちらのサイトは先ほどの音楽系と比較すると、少し洗練されている印象。また、アニメクイズの内容がかなり上級者向けなのがすごく気になりました。この手のサイトにしては作問にコストをかけすぎなのでは。

 怪しく思って問題文の1つ「アニメ『進撃の巨人』で姿勢制御の試験において、エレンとベルトの交換をしたのは誰?」をそっくりそのままGoogle検索にかけてみると、「姿勢制御の試験において〜」以下が“まったく同じ”問題が、別の企業のサイトに掲載されているのが確認できました。

 検索して出てきた方が企業としての運営実態がはっきりしているように見えるので、マイルから紹介されたサブスクサイトのほうが正式な手続きを踏まずに利用している可能性がありそうです。

 クイズの答えやほかの問題を確認するためには会員登録が必要とのこと。登録ページに飛ぶと「auかんたん決済/auウォレット」のロゴが並んでいました。この下の「登録」ボタンをタップすると、au IDでのログインを促されます。

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(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)
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(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 サイト自体が怪しいのに加え、筆者はau IDを持っていないのでログインはしませんが、会員登録=キャリア決済の手続きをさせようとしています。

 1つ注意してほしいのが、登録ページから誘導されたau IDのログインページは「本物」であるという点です。何らかの方法で審査をかいくぐり、au側に認可されてしまっているのでしょう。「本物」だからといって安易に信用しすぎるのは危険です。

■ サービスはバラバラ、運営会社もバラバラ、でも共通点がある謎のサブスクサイト

 各サブスクサイトの「特定商法の表記」の部分も見ていきます。どのサイトもきちんと、社名、住所、連絡先(電話番号・メールアドレス)が書かれており、サービスとしての体裁はしっかり整っています。

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(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 音楽系サイトの場合には、これに加えてサイト下部に「JASRAC許諾番号」「JRC認証番号」「e-license許諾番号」を掲載。「まっとうなサービス」である、という主張が感じられます。

 一点気になるのが、テキスト全てにコピーガードがかけられていること。なぜかテキストをコピーできないようにしてありました。

 また、PCから閲覧しようとすると、多くのサイトで「スマホ専用サイトです」と出て一切閲覧できないこと。あくまでスマホ用と割り切って運営しているのかもしれません。

 念のために、これら記載がある企業が実在するのか、国税庁および日本年金機構のサイトで確認してみたところ、いくつかの企業は実在することが確認できました。(もちろん、社名と住所が一致しないなど、確認できない企業もありました)

 ついでに、企業の活動実態についてネットで調べたところ、大手企業と提携したリリースが確認できた会社も。一方、やはりサイトから退会できないというトラブルに関する口コミも続々と登場。

 Yahoo!知恵袋には、「ポイ活サイト経由で会員登録を行い、その後無料期間中に退会したものの、月額分が請求されて困っている、退会方法もわからない」といった相談が複数よせられていました。

 まっとうなサービスを提供する一方で、利用者にとっては退会しにくいサイトも運営している……。謎が深まります。

 最初に勧誘してきたSNSアカウントとはグルではないかもしれませんが、ただ……どうしても、これまでの流れをみるに、各サブスクサイトの運営者も怪しく思えてしまいます。