こんな政治を誰が予想した?
就任以来「長くなるぞ」と言い続けた岸田政権。このブログではそれを言うたびに否定の嵐。支持率は株価の逆で右肩下がり。だけど結局23年末でもFumioは健在。そして自民党がどれだけ荒れ狂おうが元副大臣の逮捕者が出ようが何故だか出ない「辞めろコール」。安倍さんの時とは真逆のこの国民感情とメディアの反応は何なのか、といえば案外、キッシーに「頼りないけど一生懸命やっているしな」という奇妙な同情を抱いているのではないかという気がします。
2年ぐらい前から私一人で言い続けた自民党二分論。このブログでそれを言うたびにこれまた否定の嵐。私のような外から見る目線に対して国内の些細な裏情報に木を見て森を見ず的な感もあり、ご意見の全体像がピンボケした感もあり、情報の氾濫を感じました。とっくに劣化しているのに「まだ使える」というのと同じです。私が二分論を唱えたのは野党がだらしないことと自民党内の埋もれた才能を引き出すこと、さらには派閥で個性を没化させ、聞き、考え、交渉するという政治家本来の仕事が派閥の力関係に置き換えられたことで日本の政治が十分に成長できなかった点であります。
二分化させるのかは政治家が決めるのではなく、国民がそのような声を上げればよいのです。「派閥ハンターイ」「パーティーハンターイ」と。国民と政治家の距離感を縮めるチャンスでもあるのです。その点では河野太郎氏は国民との対話をずっと続けている代表的政治家の一人です。嫌いな方が多い一方、人気もあるのは政治家に必要なコミュニケーションを取れる数少ない方なのです。その点では岸田さんも聞く力という点で似ています。茂木さんは自分の頭を信じているので国民の声なんて一つも聞かないでしょう。あの上から目線スタイルが昭和の政治家の典型なのです。果たして自民党は核分裂するのか、来年がキーになりそうです。
こんな謝罪を誰が予想した?フラッシュがたかれ、困惑した顔つき、慣れない場でうまく自己表現できなかった藤島ジュリー景子氏の姿には「こんな人生に誰がした!」と亡き叔父を恨んでいる気持ちが見え隠れしました。叔父の事実を知っていたかどうかより世の中のトーンの大反転ぶりに青天の霹靂だったのでしょう。同様に日大理事長の林真理子氏のふくれっ面も印象的。真理子流官能小説とは真逆のリアルな裁かれドラマに「これで小説一本書けるわ」と皮算用しているのかもしれません。
それでも今年の謝罪会見NO1は誰が何と言っても兼重宏行ビッグモーター創業者のすっとぼけ会見。これも藤島氏同様、場慣れしていないこともあり、舞い上がった感はあります。とすれば時として百数十人もの記者が詰めかけ、フラッシュがたかれ、テレビカメラが廻るプレッシャーこそが壇上者を追い詰め、自白を迫る民間取り調べ機関、いや公開処刑に近いのかもしれません。言葉を操るはずの記者たちの言葉遣いや態度も非礼で尊大、何様だと思っているのか、私の方がむかついてきます。
日本のメディア記者はいくら職業とはいえ、余りにも品がなさすぎると思います。いわゆる現代版「さらし首」の実行者であり、中国文化大革命時の紅衛兵と大して変わらないレベルです。記者が会見で自己主張する必要はなく、事実関係のQ&Aに集中し、またどんな記者会見であれ壇上者には一定のリスペクトをすべきでしょう。東京新聞の望月衣塑子氏は記者の本質を逸脱し、まるで自分が発信者であるがごとく人気取りと売名をし、東京新聞もそれに加勢するという業界の道徳観のすさまじい攪乱を今年も続けた点は至極残念でした。
後記 書き終わってから気が付いたのですが、国際情勢に全然触れませんでした。なぜか日本と世界の密接感がなかった気もします。うわべの外交もあるし、混とんとする世界でリーダーシップを出せなかった気がします。日本が埋没するほど世界の声はデカいのです。しかし、「戦争が平気で行われる時代を誰が想像した」と思わず言いたくなるほど地に足がついていない国際社会でもあったと思います。誰一人安定感と指導力を発揮したリーダーがいなかった、これが2023年の国際社会の現実でもありますG77のリーダー達はなぁなぁになり下がり、個人的には全員失格です。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年12月30日の記事より転載させていただきました。
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