- スモールテスト
会社員時代、起業してから仕事の生産性がものすごく高い人にはある共通点がある。それは「小さくテストする」という発想だ。
上司から大きな仕事を頼まれた時、仕事ができる人は常に小さなプロトタイプを作成して「方向性は正しいですか?」とチェックをしてもらっていた。よしんば、方向性がズレていたら傷の浅い段階で即軌道修正ができる。
これは起業してからも同じだ。勢いがあり、変化に強く、収益性の高いビジネスはどこもスモールテストをしている。たとえば回転寿司のスシローは来店のたびに新メニューが追加されている。季節が変わるとまた新しいメニューに切り替わる。でも翌年、同じ時期は去年の新メニューが残っていたり、リストラされていたりする。小さなテストをしてウケが良かったものだけを生き残るようにしているのだろう。これは大変合理的だ。
筆者はいろんな仕事を抱えているが、必ずスモールテストをするようにしている。講演依頼やメディア出演依頼を受けたら、まず全体像と流れが分かる企画を出して先方にチェックしてもらう。方向性が正しければ、その時点でしっかり作り込むし、ズレていたら軌道修正をする。こうすれば大きなムダの発生をなくすことができる。慣れてくれば、このスモールテストを出すタイミング、仕上がりのクオリティなどもわかってくる。結果、ますます生産性が高まる。
これを実践している人からすると当たり前すぎる話だが、スモールテストを一切しない日本企業、自治体はかなり多いと感じる。まず小さいテストをせず、とてつもない時間と頭数をかけ、失敗と分かりながらも惰性で続けていると感じることが多い。ここを変えれば変化に強くなり、生産性も高まるだろう。
- タスクリストを作る
最後はタスクリストを作るのである。これは特に注意力散漫でバタバタ動いているのに全然仕事が進まないという人には劇的な効果がある。タスクリストとは、仕事を始める前に当日やるべきことを箇条書きで書き、終わったらチェックを入れて消していくという作業のことだ。シンプルだが効果が絶大である。
なぜこれが効果が大きいのか?事前にやるべきことを洗い出しているので「そういえばあれやらないとダメだな。いやでも、この仕事の方が先にやったほうがいいのかな?」と仕事中に余計な選択をしなくて済む。また、ああ、そういえばあれもやらないと!いやこれも!みたいにやることがドンドン湧いてきて脳の中が慌ただしくならない。目の前のタスクを1つずつ集中して処理できるのだ。
加えて、何にどのくらい時間を要したかを後からチェックできる。「去年の今頃この作業は何日くらいで終わったかな?」と進捗記録を確認できるので、「3日確保すればいけそうだ」と精度の高い見積もりも作ることができるだろう。
◇
いずれも実践することに特別な才能や若さは必要ない。今日からすぐ始めることができるものばかりだ。正直、実践した瞬間は大した効率アップに感じないかもしれない。だが、仕事の効率アップは複利で効くし、効果は永続的だ。少し浮いた時間に重要性の高いタスクを入れることで、長期で見れば大きな効率アップになるだろう。
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