組織を回らなくしていたのは私自身だった

私はそう考え、あるとき勇気をふり絞って仕事を拾いにいくのをやめてみたことがある。「組織が回らなくなったらどうしよう」と激しい不安に襲われたが、様子を見守ることにした。その結果、どうなったか。

結論から言えば、何も問題は起きなかった。それどころか「自ら仕事を拾いにいかない」と私が決めつけていた同僚たちが、次々と「この仕事、私やります!」と手を挙げだした。なんてことだ。同僚たちは自分で仕事を拾わないわけじゃない。私のせいで拾いにいけなかったのだ!

恥ずかしいことだが、組織を回らなくしていたのは私自身だったと痛感した出来事だった。私を動かしていたのは「組織が回らなくなる」という不安だった。不安からくる考えにふり回されてはいけないのだ。

余裕がないなか、自らあらたな仕事を拾いにいくのはやめよう。「組織が回らなくなる」なんて考える必要はないし、君がなんとかしなくても会社は何事もなく回っていく。会社とはそういうものだ。

滝川 徹(タスク管理の専門家) 1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に自身が所属する組織の残業を削減した取り組みが全国で表彰される。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。その体験を出版した『気持ちが楽になる働き方 33歳大企業サラリーマン、長時間労働をやめる。』(金風舎)はAmazon1位2部門を獲得。2018年に順天堂大学で講演を行うなど、現在は講演やセミナー活動を中心に個人事業主としても活動している。

■罪悪感なく人に仕事を振れるようになる2つのポイント(滝川徹  時短コンサルタント) ■仕事の依頼に「即OK」する前に必ず確認すべき2つの急所(滝川徹  時短コンサルタント) ■上司の評価を下げずに「NO」を伝える賢い言い方(滝川徹 時短コンサルタント) ■メールチェックと返信は別タスクにすると時間管理がうまくいく(滝川徹  時短コンサルタント) ■あなたの仕事が際限なく増える原因は「不安」にある(滝川徹  時短コンサルタント)

編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2024年5月10日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?