「だったら労組のある会社の方が人に優しいじゃない」

と思った人もいるかもですが、それはちょっと違います。

要するに労組は、人材育成に失敗した人も、仕事無くなったオジサンも、70歳まで雇い続けられるよう、みんなの賃金を抑える努力をしているわけです。

これが、日本企業が過去最高益を続々と更新する一方で、実質賃金が19か月連続で下がり続けている理由ですね。

ストなんてぜんぜん起きてないでしょ。そもそも労組は賃上げなんて求めてないんです。彼らが要求しているのはとにかく細く長く雇用を維持することなんです。

フォローしておくと、筆者はだから労組が悪だと言っているわけではありません。彼らのほとんどは悪気なく良かれと思って「横並びで賃下げも解雇も無し、で年金支給開始まで雇用」を要求しているんでしょう。

でもそれが結果として組織を硬直化させ、優秀な人ほど組織から飛び出す一方、そうでない人ほど滞留するという結果を生み出している現実は直視すべきでしょう。

さて、実は上記のような話は、筆者はいろんな場所で10年以上前からしてきた内容です。要するに優秀層ならスタートアップに行った方がいいよということですね。

でも10年前だとやはり大手の方が採用では圧倒的に強かったですね。理由は後述するように、大手の年功序列のセクセスストーリーがまだ健在で、そっちの方が夢があると感じる人が多かったからです。

初任給が多少高いくらいでは響かなかったんですね。

でも平均賃金でもスタートアップが上回るようになったというのは、大手の年功序列のサクセスストーリーを完全に超えてきたということですからね。

年功序列の停滞が隠し切れないところまできたか。それともリスクを取りさえすればリターンが得られるという当たり前のことが雇用においても実現するようになったのか。

多分その両方なんでしょう。

以降、

企業のストーリーを見極めるべき3つのポイント どちらのストリーにかけるかではなく、どう働くかの問題

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Q:「新卒採用の手間とコストが上がり続けています」 →A:「各社とも消耗戦やってますが、あえていうなら……」

Q:「人事異動で仕事が無くなったんですが」 →A:「皆が見て見ないふりをしている課題に取り組むチャンスです」

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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’sLabo」2024年1月25日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。

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