大谷さんが学ぶべきこと
大谷さんはすごい選手でありますが、一方でアメリカ社会の中では生きづらいことがあると思います。それは高校時代を野球一本で過ごし、その後、日本のプロ野球、2018年にメジャーリーグに進む間に彼の野球の技術はさらに進化したけれどそれ以外の部分がどうだったのだろう、と思うのです。メジャーリーグに行く日本人選手は非常に多いのですが、ほぼ誰も英語でインタビューを受ける人がいないのです。日本に来る外国人選手にはヒーローインタビューの際、日本語のやり取りがへたくそながらもできる選手もいます。
私がアメリカにいた時、何かの講義だかトークの後に「質問はないか?」と聞かれた際、シーンとしたのです。講演者は「俺の話は分かりにくかったか?」と言っていたのですが、世の中、何か言えば質問なりが上がるのは当たり前なのです。このブログにだって多くのコメントが来るのは人々が様々な考えを持っていてそれを表明したいものなのです。しかし、それが外国になるとまるで蓋を閉じてしまったようになります。これは英語の問題だけではなく、例えばアメリカ人のモノの考え方が日本人と相違する点を理解できないのです。
アメリカに行く以上、その国の文化や社会を理解する姿勢を見せなくてはいけません。大谷さんはインフルエンサーであるゆえにその殻に閉じこもってはいけないのです。ゆえにアメリカ人は様々な噂をするのです。私だってほとんど話したことがない顧客が私のことをよく知っているのに驚くことがあります。彼らはちゃんと情報を取っているのです。つまり、海外で暮らす以上、周りは思った以上に奇異の目で見ている、そしてその興味にたいして正面切って答える、これが日本人が心がけなくてはいけない人材の国際化なのです。大谷さんには通訳に頼らない自立を図る努力をぜひともお願いしたいところです。
後記 開発していたグループホームのオープニングセレモニーを昨日開催しました。州議会議長や市長らがテープカットに鏡開き、そして祝辞と華やかなものになりました。更に市長は8人しかいない市議会議員のうち6人を連れてきてくれました。理由の一つはカナダにないグループホームのコンセプトを見てみたいということでした。あとで市議さんたちに「どう思いましたか?」と聞くと一様に「これ、いいね!」と大変気にいっていただけたのが何よりです。市長はXに投稿してくれるなどとても前向き。私たちの苦労も報われた気がします。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年3月30日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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