経済界も小粒になりました。もっと大きな声をだして、政治の再生の提言をしほしい。政府から「もっと賃上げをせよ」といわれ、やっと動き出す。情けない。こんな企業のトップばかりでは、世界市場で勝てない。

小さな視点で裏金疑惑を考えてはいけない。政権をとりたい、閣僚ポストをとりたいから、派閥の議員数を増やす、そのために政治資金の不透明な使い方を辞さない。最大派閥の安倍派の不記載の総額は13億5千万円と、群を抜いていたのはその結果でしょう。

岸田首相は「信頼回復に火の玉となる」と断言しました。解散風をちらつかせて、派閥解消の徹底、政治資金規正法の厳格化、政治資金パーティーの制限などを進め、「そうでもしないと、総選挙で敗北する」「派閥に所属したままだと落選しかねない」と、緊張感を走らせたらよいのです。

これを契機に、政界を動かす舞台裏の手練手管には長けた老齢議員を退陣に追い込む。河野太郎氏総裁選出馬に自制を求め続けた麻生氏、いつまでたっても引退しない二階氏、引退後も安倍派を操った森氏は、危機感を募らせているに違いありません。

もちろん派閥解消で全てが解決することはありません。改革の糸口にしていくのです。

その時代の中核的な世代を代表する人たちが政界で支配的な勢力になっていってほしい。安倍派の解消で「安倍派5人衆」という呼称も消える。安倍派でも中堅、若手議員が「5人衆」や執行部を激しく突き上げました。他派でも、世代交代を進めてほしいのです。

秋の総裁選には、次の世代の人たちが多数、立候補してほしい。派閥のボスの妨害はもうないはずです。派閥間の密室の談合ではなく、日本の政治、経済の再生の政策論争を公開してほしい。小泉進次郎氏のような人気だけの人物は勘弁してほしい。

自民党の各派閥以下の議員数しか持たない各野党は、見くびられ自民党の対抗勢力になりえてきませんでした。「打倒自民党」野党連合を組み、圧力をかけたらどうなんでしょう。野党にとっても、滅多にないチャンスが来ました。そのほうが緊張感が走ります。

政界、自民党政治の活断層が現れています。小粒な議員しか出現しない小選挙制度の改正、政治資金の透明化、あら探しに徹している国会審議の改正、官僚組織に圧力をかけることには長けた官邸の改善などを進め、大きなビジョンを持って日本の再建に取り組む政治にしてほしい。

自民党本部 自民党HPより

編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2024年1月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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