左の作品、描き始めは左上なのか右下なのか、気になる。普通だったらもちろん左上でしょうけれど。

線も色も、大好物系💕2点個人蔵、いいなぁ・・・。

4展とも風景画。

この小さな海景も、欲しいよ〜🍀抽象を纏わせた見事な具象。空、海、大地の色のグラデーションすごいと思う。

スタッド・ド・プランスでサッカー観戦して描いた作品

シシリア風景

リュブロン風景

作品を見ているうちに、どうしてド=スタールが好きなのか、納得した。ジョルジョ・モランディに通じるものを感じるからだ。静物の並べ方とか色彩の絶妙なグラデーションとか組み合わせ、共通するものがあるよね。特に、りんごと洋なし、完全にモランディの雰囲気。

彼の生涯を追った映像もよくできていて、ラストは、アンティーブのピカソ美術館にある、未完成の遺作(今回、借りられなかった。巨大すぎて運ぶの大変なのでしょう)。

直前にパリで聴いたウェーベルンとシェーンベルクの音楽に精神を強く揺さぶられ、描き始めた大作。精神的に行き詰まっていたところへのこの音楽で、生きていられなくなったよう。この時期のウィーンアートは、精神を刺激するものが多い。

映像のラストは、遺作。

本企画展の入り口にも飾られている、有名な写真。ドゥニーズ・コロンブ撮影。映像には、彼女のインタヴューも入ってる。

同じく死の年に描いたアンディーブの城砦と海。色も線もとても美しいけれど、地中海とは思えない色使い。最初に見たカシの風景画と、距離は近いのに、二十年という年月を経てなんという違い・・・。ニコラ・ド=スタールの決して穏やかではなかった一生を振り返ってしまう。

期待通りの大充実展覧会をたっぷり満喫。絶対もう一度こよう。

Arteでドキュメンタリーやってたそう。配信終わっちゃう前に見なくちゃ。

今度アンティーブ行ったら、遺作”ル・コンセール”に会いに行こう。

2024年1月再訪時の様子はこちら。写真たくさんあります。

編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2023年12月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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