黒坂岳央です。

先日Xで次の投稿が流れてきた。

動画の内容を簡単にいうと、スポーツや部活で悔しい思いや勝負した経験がない男性は弱いという話である。リプ欄や引用欄では「事情があってスポーツができない人もいる」「なぜ男に限定する?」といった反発も見られたが、言いたいことの本質はよく分かる。

この動画で引き合いに出しているスポーツや部活は単なる一例に過ぎず、人生で強いプレッシャーがかかりプライドを持って勝負した経験がないといざという時に勝負に出られないという意図なのだろう。

ジェンダー問題が取り沙汰され、女性の社会進出が進んだ現代においても、男性が仕事という勝負の土俵を避けて生きることは現実問題かなり難しい。故に強さを持っておくためにも勝負経験は大事だと言いたいのだと思っている。

この動画の内容で言いたかったことは「勝負した経験がない男は弱い」という話だと解釈し、そこを踏まえて持論を展開したい。

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戦闘経験が人を強くする

戦闘、というととても物騒なワーディングチョイスに思われるが、我々は資本主義社会という太古の争いとはフィールドを変えた戦いを繰り広げている。つまるところ、地球上の限られた資源や富を競って奪い合っているということだ。国家や会社、共同体とチーム形態は多様化したし、ゲームルールも武器で殴り合う原始的なものではないが、本質的な部分で先祖から連綿と続く競争社会に我々は身をおいているという現実がある。

そんな競争社会において、人生の早い感受性豊かな段階で戦いの訓練を積んだ人とそうでない人は確かに強さに差が生まれるだろう。実際、リクルート現場では新卒採用時に体育会系が好まれやすいという話に現れていると思っている。

スポーツ経験で体力がある、というだけではない。チームでの戦闘経験に加え、努力体質、理不尽な負けを喫する経験が、その人自身を強くするというメンタル面も考慮されての話だろう。野球でもサッカーでも、どんな競技でも勝ち負けを追求し毅然たる結果を突きつけられる経験を重ねれば人はメンタルが強くなっていく。戦闘経験が人を強くするのだ(もちろん、心折れてしまう人もいるので例外はある)。

自分自身、学生時代は部活どころか学校もろくにいかなかったが、勉強や仕事で強いプレッシャーをはねのけて勝負を繰り返す中で間違いなく強さを獲得していった実感がある。途中で何回負けても、とにかく最後に勝てばいい。この感覚を得たことで、諦めずに何度も挑戦する忍耐が身についたのだ。