今改めて政治改革の嵐が吹き荒れた1988年から1992年当時を振り返ってみると、いかに内外共に激動の時代であったかを再認識させられます。
国内にあっては昭和天皇が崩御せられ、内閣は竹下、宇野、海部、宮澤と目まぐるしく替わり、消費税導入と政治改革で政治は激動、国外にあっては天安門事件、ベルリンの壁崩壊、マルタ会談による冷戦の終結(1989年)、イラクのクウェート侵攻、東西ドイツの統合(1990年)、湾岸戦争勃発、ソビエト連邦崩壊(1991年)など、まさしく歴史的大変革の時代でした。あの時以上とも言える今の歴史の変わり目に、我々が果たさなければならない責任は、あの頃よりもさらに重いものです。
来年には地方選挙が540ヵ所以上で行われるのだそうですが、自民党を支えているのは地方組織であり、我々党中央にある者はこの重要性をもっと強く認識すべきです。昨日岸田総裁は青年局に対して、青年層の意見を把握し、報告するように指示したとのことですが、青年局の役員を務める国会議員は25名しかいないのであって、この指示は党所属全国会議員に対してなされるべきものです。
各種世論調査で内閣支持率のみならず、党の支持率も低下傾向にあることが報道されていますが、これに右往左往してはなりません。このような時こそ、国民有権者に正面から向き合い、その意見を聴き、訴えるべきことを誠心誠意述べねばなりません。
街はクリスマスの飾りつけで溢れていますが、ウクライナ・ロシア戦争も、パレスチナ・ガザ戦争もその根底には宗教的な対立があることに思いを致すべきではないでしょうか。お祭りムードに浸るだけではなく、宗教についての知識をきちんと持つ努力をしなくてはならないと痛切に思います。
クリスマスの時期になると、大好きな作品であるO・ヘンリーの短編小説「賢者の贈り物」を読み返したくなります。文庫版で容易に入手できますので、もしまだお読みでない方がおられましたら、是非ご一読くださいませ。
寒波の襲来、皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。
編集部より:この記事は、衆議院議員の石破茂氏(鳥取1区、自由民主党)のオフィシャルブログ 2023年12月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は『石破茂オフィシャルブログ』をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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