老朽化した小樽水族館は99%インバウンドで満員

・渋谷、原宿、表参道

コロナ禍の前は圧倒的に若い韓国人が多かった。現在はスペイン語を話す人たちも多い。パタゴニアの店員さんの話では売上の7-8割がインバウンド。香港とシンガポール。原宿は家族連れが多く、10代の子供が行きたいというので親が付いてきた感じ。買い物はあまりしていないが飲食店に大行列。海外では無名のドメスティックな洋服屋さんは閑散としている。韓国人の若い子たちはお金はなさそう。中間層。

・新潟のスキー場

2024は台湾、韓国、中国あたりのスキー客がかなり増加した模様。新幹線で東京から2時間でいけるので、東京旅行と新幹線でのスキー旅行を同時にしている。ツアー客ではなく、自由旅行の人たち。中間層〜富裕層

みたいな感じです。インバウンドを語る時、京都の人は京都に来ている外国人しか見ていないので「インバウンドってこういう人だ」と思いがちですが、実は場所によって階層やヒエラルキー、国籍のばらつきがあるわけです。

待っているのではなく、ターゲットの需要を考えるべき

北海道をはじめ、田舎はどんどん寂れていきます。人口も絶賛激減しています。

インバウンドが来ない地域、来ても全く関係無い施設やお店は潰れていくのです。地方の人でわたしの永江塾の塾生も大勢いますが誰もが危機感を持っています。それなのに

・自治体はなにもしてくれない
・外国人は怖い。こなくていい
・なにからやっていいのかさっぱりわからない

と、まるで他人事のような人が多すぎます。だいたいど素人の自治体に頼る方がおかしい。わたしはこれから本気でインバウンド対策したい企業のために、設計からサービス構築、集客までやるつもりなんですが、とりあえずは

ターゲットはどの層?

初来日なのか、それとも複数回来ているターゲットなのか
国籍は?
団体客を受けるのか、個人客のみか
将来的に別宅まで買ってくれる人を呼び込めるか?
近くの観光地からコバンザメのように集客できるか

などの諸条件の仮説を立てる必要があり

投資を呼び込めるか

住民、国内、海外の投資をどうやって呼ぶか
話題作りはなにでやるか
目玉を何にするか

みたいに基礎設計をきちんとやることです。分からない人はいきなり基本的な設計も無しで「そーだ!! Instagramでやればいい」みたいな末端の手法に走りがちで、自治体も「インフルエンサー募集」とか予算を付けてやってますが、勝手に紹介してくくればなんでもいいという姿勢では誰も来ません。

そういえばどこかの県がオーストラリア在住の女子とインフルエンサー契約して10万円/月払うみたいなニュースあったけどそのあとまったくなにをしているのか聞こえてこない。効果測定とかしてるのかな・・・

こうしたことはおいおい書いていこうと思ってますし、実際いくつかは手を付けました。まずは自前でもやってみてPDCAを回したいと思います。

編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2024年4月25日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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