後は、自分の器にあら塩と一味唐辛子を入れて、スープと一緒にひたすら食べる。塩と一味唐辛子は拘って良いものを選ぶのがポイントです。

鍋に付きものの鰹や昆布の出汁は一切入れない。そして、ネギや春菊といった鍋の定番野菜も入れない。七味ではなく一味唐辛子を使う。ここを間違えてはいけません。

この料理が、何とあのDancyuの読者支持率ナンバーワンレシピになっているというのです。

作り方はこちらから見られます。

自分の器に入れるあら塩と一味唐辛子の味付けは、個人の自己責任。味を押し付けるのではなく、自分のことは自分で決める。そんなところに妹尾河童さんの自由を大切にする生き方が投影されているように感じます。

この鍋のことを知ってから40年近くの年月を経て、このピェンロー鍋を最近始めて食べる機会がありました。

正直な感想を言うと、今まで食べた様々な鍋よりもシンプルなのに奥深い。そしていつまでも食べ飽きない傑作鍋でした。

しかも、塩、一味唐辛子、ごま油さえ良いものを選べば、後はどこにでもある普通の材料で作れます。料理の素人であっても、誰でも美味しく完成できます。

舞台美術家としても有名な妹尾河童さんですが、「ピェンロー鍋」の普及に貢献したことこそ実は最大の功績ではないか。これは決して大げさではありません。

これからの季節にピッタリの鍋料理。近いうちにまた作ってみる予定です。

編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年11月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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