サラリーマンと自営業者の認識の違い
自分はサラリーマンも自営業者も両方やってきた経験があるので、肌感覚で分かるのだが、お互いに価値観は水と油くらいまったく違うと感じる。以下はその違いを対比する目的で書かれ、どちらかの立場を下に見る意図は一切ない点に留意した上で読み進めていただきたい。
たとえば「リスク」についての考え方だが、サラリーマンは自営業者やタレント業の収入が不安定だとリスクに感じる事が多い。だが逆に自営業者の中には「サラリーマンは自分の体だけが資本。万が一、大病を患ったりスキルがないまま勤務先が倒産すれば、これまでのように働けず、たちまち困窮してしまう大変リスキーな立場。健康的に40年以上働き続けるフィジカルタフネスが前提の大変難しい職業」などと考えていたりする人もいる。
また、批判についていえばタレント業なら誹謗中傷をブロックしたり、合わない人とは付き合わないなど「付き合う相手は自分で選ぶ」という戦略を取ることができる。一方でサラリーマンの場合は上司や同僚、取引先など身近な人の人間性に大きな問題があっても基本的に逃げ場はない。そういう意味でタレント業から見れば「嫌な人をブロックできないサラリーマンの方がよほど辛い」と思う人もいる。
最後に選手生命が短いという点についていえば、サラリーマンでも本質的には事情はあまり変わらない。今あるスキルが10年後、20年後にニーズがあるかは誰にもわからないのだ。
たとえば一部の事務職やクリエイティブ職についてはAIの台頭が凄まじく、同じ作業の繰り返しやパターンに落とし込める作業から職が奪われている。現時点ではまだ経営層のAIスキルが高くない会社や、人的資本がAIの活用コストより安い現場では雇用が守られているが、10年後はわからない。
筆者はすでに、これまでフリーランスへ外注していたExcelのマクロ制作やウェブ制作の仕事のAIに切り替えたため、外注を一部やめた。これから同じことが進行していくだろう。
メインのタレント業がオワコン化しても、それまでの知名度を活かして講演活動とか出版、その他何らかの活動を続けて生き残る人はいくらでもいる。たとえばヒーロー物の主役を務めたタレントは、年老いて俳優業を退いた後は自営のビジネスで飲食業やファンサービスで食いつなぐ人もいる。
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個人的には親が子供の職業に口を出すことはしないほうがいいと思っている。YouTuberになりたい!と子供が言い出したら「将来ではなく、チャンネルを作って今すぐやってみなさい」とむしろ手伝えばいいと思っている。漠然とした憧れをいつまでも追いかけ、子供の若い時間をムダに消耗させるより、今すぐやってみて合う、合わないと本人に判断させる。もしかしたら隠れた才能があるかもしれない。昔の価値観で令和の職業の可能性を親が潰してしまうことは良くないと思っている。
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