エコノミーの意味に代わった経緯

経済とはもともと政治のことだった?経済という言葉の語源となった「経世済民」とはどんな意味の言葉?
(画像=『FUNDO』より引用)

ここからは「経世済民」がエコノミーとしての意味合いに変わった経緯について見ていきましょう。

経世済民が略されて「経済」

実は「経済」という言葉は「経世済民」から来ています。
「経世済民」はもともと政治を表しているため、「経済」もまた政治を指していたわけです

ちなみに昭和末期、田中角栄の影響力を逃れようとした竹下登らが結成した「創世会・経世会」も「経世済民」から来たそうです。
今では「経済」と聞くとお金にまつわること全般を指しますが、もとは政治というニュアンスの強い言葉だったと言えます。

端的に言えば「経世済民」の略語が「経済」となるのです。
ただ、近年ではもともとの政治という意味合いは薄れています。
むしろお金に関すること全般というニュアンスが強いです。
このように言葉の意味が時代によって変化しているため、その点には注意が必要です。

economyの訳語となった「経済」

日本では政治という意味を持つ「経済」が次第に変化しました。
特に幕末頃からエコノミーの訳語として使われる言葉となったとされています。

転じて、現代の「経済」の意味で広まったのだとか。
むしろもともとの世を治めて民を救うという意味で「経済」を使用することはほとんどありません。
その一方、世の中を回すこと全体を「政治経済」と表現したりもするなど、言葉自体が多様性を帯びています。

「経済」はもともと政治を表す言葉ですが、これも現代ではまた違った視点の言葉となっているわけです。