あなたの会社に「お金」で貢献できる士業を選べ
士業がかかわる「お金」の業務の中に、助成金、補助金、資金調達(融資業務)の3つがあります。
結論からいえば、この中のうち1つも扱っていない士業。あるいは、他のプロ士業とガチガチに提携していない士業は、あなたにお金をもたらしてくれることはありません。つまり、まずは大前提として、この3つの金脈をもった士業をつかむべきです。
助成金は、社労士の固有業務です。ですから、まずは助成金をかき集めてくれる社労士。この社労士を探しましょう。そして、次に探したいのが融資業務のできるプロ。次に補助金。この順番です。
後述しますが、融資業務と補助金業務に資格は関係ありませんから、実績中心にそうしたアドバイザーを探すのが良いでしょう。とにかく「金のなる木」の源泉はこの3業務です。士業に依頼するならば、確実に押さえておきたい業務だといえます。
ところで、本当に意識の高いプロ士業ならば、自身が何かしらこの「お金」で直接的に貢献ができる業務をラインナップとして揃えています。もしくは、必ず強力な提携先があります。別の言い方をすれば、プロ士業ならば必ずクライアントの事業資金を気にしているということです。コロナ禍から逃げた社労士、税理士、最低です。普段から顧問料もらっているにも関わらず、有事に逃げたわけですから。
経営のどのような危機も、まずは現金さえあればなんとかなる。そういう意味では、プロ士業にとってお金に関する業務はマスト業務だといえます。いざという時に役に立たたなくて、何が士業じゃって話です。
あ、そういえば、昔は士業のことを「サムライギョウ」って呼ぶこともありましたが、最近はめっきり聞かなくなりました。もしかして、「侍」と呼べるような人材が少なくなったということが原因なら、それはとても残念なことだと。でも、実際のプロ士業はキレキレの「侍」なので、やはり見分けることが大事ということになります。
積極的にセカンドオピニオンを。正直、これも士業の世界からは総スカンくらう可能性があるのですが、士業のセカンドオピニオンは積極的に持つべきでしょう。
本当に士業の実力差は大きい。ひとりの士業への依頼だけでは、正直わからないものです。複数の士業から話を聞くことで、実力差が初めてわかるわけですし、最初から理想的なプロ士業に出会える可能性は決して高くないので、積極的にセカンドオピニオンとして、小さな相談、小さな依頼は続けていくべきです。
もちろんセカンドオピニオンは、依頼を受ける士業としては、気持ち良いものではありません。やはり、「あなただけにお願いします」と言われた方が気持ちよく仕事できるもの。しかし、士業はそもそもあなたの会社に貢献して初めて報酬を貰える立場です。ここは最初に「先生を信頼していないわけではないのですが、様々な意見を勉強したく、ほかの先生にも相談してみたいのですが、それって可能でしょうか?」と聞きましょう。
勉強をしたいという気持ちを士業が折ることは少ないし、可能でしょうか?と聞けば、NOとも言いにくいです。もちろん、あなたが納得のいくプロ士業に出会えればそれで良いのですが、最初は複数の士業に当たることも、極めて重要な点だといえるでしょう。
そして、このセカンドオピニオンを発展させたのが、同資格の複数顧問です。
例えば、助成金に強い社労士と顧問契約をし、その社労士には助成金に集中してもらう。手続きは別の社労士にお願いする、など。ほかにも、融資業務だけの顧問税理士と税務だけの税理士に分けて契約をする。事前に許諾を取ればまったく問題ありません。複数の同資格士業と契約して、その報酬以上の結果が出れば良いのですから、これもひとつ検討してみる余地があります。
■
横須賀 輝尚 パワーコンテンツジャパン(株)代表取締役 WORKtheMAGICON行政書士法人代表 特定行政書士 1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ1,700人以上が参加。著書に『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、『士業を極める技術』(日本能率協会マネジメントセンター)、他多数。 会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業 | 横須賀輝尚
■「お金」より見えにくい、潰れそうな会社が発する「組織」のシグナルとは?(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
■実力ある士業を見分けるには「バッジ」に切り込め(横須賀輝尚 経営者)
■士業専門コンサルタントが教える「プロ士業」の見極め方。(横須賀輝尚 経営者)
■士業専門コンサルタントが教える「プロ士業」の定義。(横須賀輝尚 経営者)
■会社あてに借金の催促が届いたら、もう終わり?(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2023年2月1日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?