週末にいつものように本屋部門の事業の一環でアニメ本と商品のイベント出店をしていました。「ジャパンマーケット」というイベントで日本をモチーフにした商品を売る店が並び、年4〜5回、いつも同じ場所で開催されています。毎回、店舗の配置が変わるため出店場所のお隣さんやお向かいさんは違うお店になります。全部で60〜70店舗出店しているので一種の商店街で、7〜8割は同じ顔ぶれで残りが新規出店者になります。
すると客もそうなのですが、出店者同士も結構、お互いの商品を覗き込みながら、売れ行きどうなのだろうとなるわけです。あるいは顧客との接客応対や呼び込みのやり方など皆さん独自で工夫されており、こちらも負けちゃいられないという気にさせるのです。つまり、全く違う商品を売っているのに奇妙な「ライバル心」を掻き立てるのです。
イベントが終わった瞬間、「売り上げがどうだった」というより「今回もやり終えた!」という気になります。それこそ開催期間の2日とか3日間、どの出展者も売り子としての情熱大陸なのです。なので無事終了すれば「よく頑張ったね」と自分に褒美をあげたくなる瞬間となるのです。
私どもにはEコマースもあるので24時間どこからでも注文いただけるし、店員を配置する必要がないので実にありがたい存在ではあります。ただ、とても機械的なのは残念なところです。それは客の顔が見えないからです。
私どものEコマースの場合、店や事務所など指定場所に取りに来て下さる場合は値引きがあります。定期購読のお客様などは毎月のように来られるので立ち話をしながらどんな好みとか、アップセールをかけるネタがわかるし、お客様も新発見されることも多いわけです。
先述のイベントで店がちょっと暇な時間があれば他のところをグルグル見て回るのですが、今回もある知り合いの店で捉まり、アンチエージングの美容液を買ってしまった自分が笑えると思いました。ネットショップなら逆立ちしても買うことはないけれどリアル店でしかも入りにくそうな店ではなく、テーブル1つのみんな同じ出展者だと思うと妙な親近感がわくのです。
日経に「お金より熱量、『共創』の時代に」というマーケティングライターの記事があります。記事のタイトルと記事の中身がやや相違するのですが、記事の書き手が言う共創とは売り手一方の押し込み時代から買い手を取り込み、ファンクラブ化して売り手と買い手の共創の時代に入ったということかと思います。
私が思うこの意味はアマゾンなどEコマースのレビューが原点なのだと思います。つまり、客は売り手が見せるEコマース上の商品の詳述やスペック、写真と共にその商品を買った人のコメントを参考に購入決定をするというプロセスが起点に思えるのです。