そもそも、故障した電子レンジも「加熱しすぎ防止機能」で自動停止が頻発し、3秒温めたら緊急停止、これを繰り返して使えなくなったので手放した経緯がある。正直、よけいな多機能、おせっかい機能が使いにくくさせ、さらには故障の原因になっている。
こうしたものは電子レンジに限らない。冷蔵庫、電子辞書、ドラム式洗濯機、テレビなどあらゆる機器についていえる。値段が高い高性能をうたう商品ほど、逆にドンドン使いにくくなるのだ。UI(ユーザーインターフェース)が大きな問題なのだが、高機能を謳うならローエンドよりUIも優れていて然るべきと考えてしまう。
家電は未だにガラパゴス筆者は家電メーカー内部の事は全くわからないのだが、色々ハイエンドモデルを使ってきて感じることは「まったくユーザー視点でない」ということである。
高機能家電は一生使わないであろう99%の機能を全面に押し出し、使用率99%の機能を見えにくく、そして使いにくくしている。開発者としてはせっかく苦労した開発し、搭載した高機能をずらりとスタートメニューに並べたい意図があるかもしれないが、ユーザーが求めているのはすべての機能をまんべんなく使いこなすインターフェースではないのは明らかだ。
オーブンレンジのユーザーが使うのは「電子レンジ加熱」であり、その機能が何度もボタンを押し続け、深くもぐり、毎回細かい設定をしないと使えないのは完全に致命的である。
それよりも、どんな角度からボタンを押しても反応してくれるとか、最小の労力で目的を達成できるようなインターフェースにしてもらいたいと感じる。ユーザーがよく使う機能を全面に出し、あくまで任意設定をすることでマニアックな機能を引っ張り出せる仕様の方が喜ばれるのではないだろうか。
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その昔、日本のPCメーカーやガラケーを買って最初にやることは、絶対に使わない不要な多数のアプリをアンインストールすることだった。日本の家電は未だにその状態である。しかもPCや携帯と違ってアプリは絶対に削除できず、ユーザーはずっとこの使いづらさに耐えなければいけない。日本の家電が凋落したと言われるが、日本人からもそっぽを向かれてしまわないかが心配になってしまう。自分はこれからも買い続けたいのでぜひ家電メーカーには頑張ってほしいと思っている。