サンタクロースは悪魔の化身?
さて、前述の「土星神サトゥルヌス」や「オーディン」は、ともに“死”を司る神という一面も持っている。勘の良い読者は、ここで何かお気づきではないだろうか?
そう、“死”といえば“地獄”、そして“悪魔”すなわち「サターン」が連想される――。つまり、「サンタクロースであるサトゥルヌスはサターン、すなわち悪魔の化身なのではないか?」と考える人々も存在するのだ。
ローマ神話における土星神サトゥルヌスは、ギリシア神話における農耕神「クロノス」と同一視されている。この農耕神クロノスは、神々の王「ウラヌス」に歯向かい追放してしまったが、これは神に敵対するサターンの存在に近いものがある。
実際、ルーベンスやゴヤといった有名な画家は、土星神サトゥルヌスと悪魔サターンを同一視した作品も描いている。さらに「クリスマスツリーの一番上にある五芒星(ごぼうせい)は悪魔の印だ」との説もあるようだ。ちなみに魔女である筆者にとって、逆さ五芒星はルシファー(堕天使)を象徴する印であり、黒魔術にも用いるものだ。