愛する人との抱擁がストレスを低下させることはよく知られています。
実際、辛いときに抱きしめられると落ち着くはずです。
しかしこの効果を得るには相手が必要です。では抱きしめてくれる相手のいない人はどうしたら良いのでしょうか?
ドイツ・ゲーテ大学フランクフルト校(Goethe University Frankfurt)心理学研究所に所属するアルジョシャ・ドライソーナー氏ら研究チームは、愛する人がいなくても、ボディタッチによってストレスを低下させられると発表しました。
「見知らぬ人との抱擁」や、自分で体を触って慰める「セルフタッチ」がストレスホルモン「コルチゾール」のレベルを低下させたのです。
研究の詳細は、2021年10月8日付の学術誌『Comprehensive Psychoneuroendocrinology』に掲載されました。
目次
- ボディタッチはストレスを低下させる
- 「セルフタッチ」と「見知らぬ人との抱擁」がストレスを低下させてくれる
- ストレスを感じたときは両手で自分を抱きしめるべき
ボディタッチはストレスを低下させる
愛する人とのボディタッチにはざまざまなメリットがあると報告されています。
例えば、抱きしめられたり手を握られたりすると、血圧が下がったり安心感が得られたりするのです。
また2007年の研究では、パートナーにマッサージされた女性は、ストレスを感じやすい状況でもコルチゾールのレベルが低いと報告されています。
コルチゾールとは、人がストレスを受けたときに脳から多く分泌されるホルモンです。
コルチゾールの分泌が慢性的に多くなると、うつ病や不眠症、精神疾患につながるとさえ言われています。
つまり愛する人のボディタッチには、ストレスを低下させる確かな効果があるのです。
では、パートナーと呼べる人がいない場合でも、同様の効果は得られるのでしょうか?