持久力と筋力は、私たちの生活と深く関わっています。

例えば、持久力があると日常生活で疲れにくくなりますし、筋力が高ければ重いものを持ち上げることや、姿勢を保つのが楽になります。

この2つの機能を高めるために、多くの人は有酸素運動をした後、そのまま筋トレを行うといったように、一度のトレーニングで両方を高めたいと考えるでしょう。

しかし、厄介なことに、同時に両方の運動を行うと、一方の運動の影響によって、もう一方の運動効果が妨げられることがあります。

今回、ドイツ・フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク(FAU)に所属する研究者らは、トレーニング直後にプロテインを摂取することが、両方の効果を得るために役立つことを明らかにしました。

この研究成果は、学術雑誌『Nutrients』に8月15日付で公開されています。

目次

  • お互いの効果を邪魔する干渉効果とは?
  • 有酸素と筋トレを同時にする人たちにオススメする直後のプロテイン

お互いの効果を邪魔する干渉効果とは?

筋力と持久力を高めることは、どちらも健康に役立ちますが、筋力アップには筋トレ、持久力向上には有酸素運動と、それぞれ適したエクササイズがあります。

この際、大抵の人は、有酸素をして、そのまま筋トレを実施するように、1度のトレーニングで両方を済ましたいと考えるでしょう。

実は、1度に両方の運動を実施するトレーニング(同時トレーニング)では、一方の運動がもう一方の運動効果を妨げる可能性があります。

この現象は「干渉効果」と呼ばれていて、特に有酸素運動を行った後に筋トレをすると、筋力の成長が妨げられることがあります

今回、研究グループは、同時トレーニングを実施しても、持久力や筋力が十分に向上するために、筋タンパク質の合成を高め、筋肉のリカバリーを手助けするプロテインをトレーニング直後に飲むことが役に立つという仮説を立てて、実験を進めました。