このほか訴状に添付されたスクリーンショットでは、広報担当者とネイサンの間でライブリーを「沈める」といった会話が交わされたほか、バルドーニが広報担当者に対して、オンラインハラスメントの被害にあった他の女優を指して「これが我々に必要なことだ」と指示めいた会話をしたことも明らかにされた。

下請け業者の関与を示すやりとりも提示されている。ライブリー側によると、下請け業者はテキサスが拠点のジェッド・ウォレスという人物で、全米の「デジタルアーミー」を使って、SNSに本物であるかのようなコンテンツを作成、植え付け、拡散することを専門にしている。ライブリーは、バルドーニらは、こうした捏造コンテンツを無知な記者に提供、拡散させて世論に影響を与え、それによって自然発生的な集団攻撃を引き起こしたとも主張している。

公開直後、メディアやSNSのセンチメントがバルドーニに好意的に転じたと報告を受けると、広報担当者は冗談めかしつつ「半分は同意できない」とネイサンにメッセージを送っていた。

ライブリーは、バルドーニらが作り出した「ソーシャルマニピュレーション」キャンペーンは、ネガティブなニュースサイクルを生み出し、SNSのアルゴリズムの生成・維持を助けたと主張。ライブリーの手がける事業のアカウントに憎悪に満ちたコメントが殺到するなど、ビジネスや家族にまで被害が及んだと指摘した。バルドーニらの活動は契約違反にとどまらず、州法と連邦法に違反したとした上で、「ライブリー、その他の出演者やスタッフ、その家族全員に与えた継続的な報復の脅迫による危害の責任を負わせるために訴訟を提起した」としている。

ライブリーによる告発に対して、バルドーニおよびWayfarerの弁護士はニューヨークタイムズに宛てた声明文で、「完全に虚偽の主張」と否定。ライブリー側を「恥ずべき」だとし、自らの責任による「悪い評判を修正するための絶望的な試み」と述べるなど、正面から対抗する姿勢を示した。また、訴状に示された証拠は、戦略を練るための内部のシナリオ計画と個人的な通信だけであり、「積極的な対処が行われなかったという証拠が明らかに抜け落ちている」と主張するなど、無実の証明に自信を示した。