夏にはパリ五輪本大会へも出場を果たしており、リーグ戦での活躍を含め荒木にとって極めて有意義なシーズンとなったことは言うまでもない。それだけに所属元の鹿島としては簡単に手放したくない選手だが、FC東京からしてももはやチームに欠かせない存在。今季各クラブで活躍した期限付き移籍中の選手の中でも、特に去就が注目されていることは間違いない。

木村誠二 写真:Getty Images

木村誠二

FC東京からサガン鳥栖へ期限付き移籍中

過去にはJ2の複数クラブで武者修行の経験があるDF木村誠二。今季はJ1のサガン鳥栖へと期限付き移籍し開幕を迎えていた。第7節でスタメン出場を果たすと第12節以降は定着。残念ながらチームは最下位でJ2降格となったが、26試合と多くの出場機会を得ていた。シーズン途中にはパリ五輪予選も兼ねたAFC U-23アジアカップにも出場し日本の優勝に貢献。五輪本大会でも主力として活躍した。

186cmの高さとフィジカルの強さが魅力で特に空中戦で強さが光る。守備時はもちろん、攻撃でもセットプレーの場面で存在感を発揮。リーグ戦では第29節の湘南ベルマーレ戦、U-23アジアカップでも準々決勝のカタール戦でセットプレーからゴールを挙げており、ターゲットとしての頼もしさもある。

J2降格を味わった鳥栖は、シーズン終了後すでにGK朴一圭やDF山﨑浩介といった守備の中心選手の移籍が決まっており、現時点で守備力の低下が懸念される。もちろん所属元のFC東京からしても、木村は将来チームの中心になってほしい選手の1人であるだろうが、鳥栖も1年でのJ1復帰のため重要な戦力なだけに、今冬の動向が注目される。


山見大登 写真:Getty Images

山見大登

ガンバ大阪から東京ヴェルディへ期限付き移籍中

今季16年ぶりにJ1の舞台へ帰ってきた東京ヴェルディ。復帰初年度は6位と上位で終える収穫の多いシーズンとなった。そんなチームを支えたのが、複数のJ1他クラブから期限付きで加入していた選手たちだ。昨2023シーズンにJ1昇格プレーオフ決勝で同点ゴールを挙げるなど昇格の立役者となったFW染野唯月をはじめ、今季チームトップの10ゴールを挙げたFW木村勇大などそれぞれが重要な役割を果たしている。