11世紀に院の近臣であった藤原季綱(平治の乱で殺された信西の祖父)が別邸を白河上皇に献上したことが鳥羽離宮の始まりである。これが南殿であり、後に東殿が建設された。白河上皇は自身の墓所として安楽寿院を造営した。
鳥羽上皇も泉殿などを増築した。現在ではほとんど遺跡は残っていないが、南殿の跡地は鳥羽離宮公園となっており、「秋の山」といわれた築山の痕跡がある。また、安楽寿院とその周辺には白河・鳥羽・近衛三帝の御陵があり、特に近衛天皇陵は多宝塔という珍しい形で、豊臣秀頼が再建した。
離宮の鎮守であった城南宮は方除けの神として信仰を集めている。4月29日と11月3日には王朝の雅を伝える「曲水の宴」が行われ、源氏物語に登場する花の保存にも尽力しており、藤の花の名所としても知られる。
1868年の正月には鳥羽伏見の戦いがこの付近で起きた。幕府軍は細長い行列のまま関門の開門を要求したが、官軍は拒否し、横から射撃を行ったため、幕府軍は敗退する結果となった。
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城南宮の名物は「おせき餅」である。餡子を載せた餅であり、約450年前の茶屋の看板娘の名前に由来するとされる。
レストランは街道沿いにファミリーレストランが多いが、「京都離宮」は「おだし」のテーマパークとして人気を集めている。
サバやウルメ、イワシなどで作られた「離宮のおだし」、最高級とされる枯本節を使用した「かつお」、贅沢にトビウオを使った「あご」、京都のサワラを用いた「京さわら」の4種類のおだしをテイスティングし、好みのおだしでだし巻き卵を焼いて提供するサービスが好評である。
さらに、ODASHI×SODA おだしドリンクなどのユニークな商品も展開している。
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