近年、従来の栄養ガイドラインとは異なる、独自の食事法を取り入れる人が増えている。その中でも注目を集めているのが、肉だけを食べる「carnivore diet(肉食ダイエット)」だ。

 アメリカのネブラスカ州ミルフォード在住のHVAC技術者、パトリック・エンズリー氏は、1年間この肉食ダイエットを実践し、体重と健康状態に劇的な変化を遂げた。彼の経験は、肉食ダイエットの潜在的な利点とリスクについての議論を巻き起こしている。

肉食ダイエット:1日の食事内容と健康への影響

 エンズリー氏が実践した肉食ダイエットは、450グラムのステーキ、450グラムのひき肉、卵6個という、綿密に計算された食事内容だった。彼は家から動物性食品以外のすべての食品を排除することで、この厳しいダイエットに集中した。間食には、自家製ミートボール、豚の皮を揚げたもの、ストリングチーズ、ビーフジャーキー、サラミ、ペパロニなどを食べていたという。

 エンズリー氏は、息子の成長を見守るために健康になりたいという強い思いから、このダイエットに挑戦した。

 その結果は驚くべきものだった。数ヶ月で体重が63.5キロ減り、腹囲も48センチ縮小した。さらに、睡眠の質とエネルギーレベルも著しく向上したという。ダイエット前は、階段を上るだけで息切れし、足首、背中、膝の痛みに悩まされていたが、ダイエット後は2歳の息子と活発に遊べるようになった。彼にとって、肉食ダイエットは人生を変えるほどの大きな転換点となったと言えるだろう。

 エンズリー氏によると、「最初の1、2ヶ月で、気分、意欲、そして前向きな気持ちが大きく変わったことに気づきました」。最初の目標を達成した後、彼は自分の体の反応を見るために、オーガニックのイチゴなど、特定の植物性食品を徐々に食事に取り入れ始めた。