薄れる銀行への帰属意識

 三菱UFJは現在、業績的には好調を謳歌している。商業銀行、信託銀行、証券会社、カード会社、消費者金融会社、資産運用会社などを傘下に持つ総合金融グループである三菱UFJフィナンシャル・グループの連結総資産は約404兆円(2024年3月末時点)を誇り、国内1位の金融グループ。24年3月期の純利益は過去最高の1兆4907億円で国内金融グループ1位であり、同期決算の純利益ベースでは1位のトヨタ自動車に次いで国内2位。中核の三菱UFJ銀行の預金残高は国内トップの約200兆円と名実ともに国内トップバンクの座にある。

 なぜ、そんなトップバンクである三菱UFJで不祥事が相次いでいるのか。

「以前と比べてモラルが低下して不祥事が増えているのかといえば、そういうわけではない気もします。時代的に今は、企業は不祥事が見つかれば自発的にディスクローズしなければならないという風潮になったこともあり、以前であれば社内でもみ消していたような事案もきちんと公表するようになったことで、単に公になる件数が増えただけという面もあるかもしれません。また、三菱UFJ銀行単体だけで国内に9万人も従業員がおり、確率論的に犯罪的な行為におよぶような問題のある人間が一定数生じることは避けられません。

 とはいえ、転職が当たり前の世の中になり、外から中途で入ってくる人材も増えたりするなかで、銀行への帰属意識やモラルが薄れているという雰囲気は感じます。また、銀行員は日常的に多額のおカネを扱ったり、富裕層や大企業の経営層と接する機会も多いため、金銭感覚が狂ってしまったり、自分はもっと得していいと勘違いしてしまう銀行員がいるのも確かですが、これは今に限った話ではないでしょう」(メガバンク行員)

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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