黒坂岳央です。
去年から、スキルアップの一環として様々な技術向上に手を出している。料理教室、ボイストレーニング、パーソナルトレーニングジムだ(合わずに今はやめてしまったものもあるが)。
自分に知識がない時代、「専門家の言うことは絶対であり、間違えることはない」と考えていた。しかし人に技術を教える先生の立場でも、明確に間違いを犯してしまう事があると、大人になって気づいた。
問題は本人がその間違いにまったく気づかないまま、指導を続けていることが少なくないということである。自分自身もそうならないように気をつけるようにしている。
専門家が間違える理由なぜその道、何十年のプロ中のプロの専門家が間違えてしまうのか?その理由は2つある、それは技術や知識が停滞していること、そして専門家の立場故に疑わなくなってしまったことにある。
たとえば料理教室で栄養士の資格を持つある人物から、「タンパク質を取りすぎると内臓に負担がかかる。たとえ筋トレをしてもプロテインは推奨しない」と自分がプロテインをとることに否定的な意見を言われたことがある。筆者はこの言葉に疑問を持ち、自分で調べてみた。
厚生労働省が2020年に発表した日本人の食事摂取基準によると、タンパク質の過剰摂取について言及されており、その健康障害の根拠はないとある。こちらも厚生労働省の調査で明らかにされているが、むしろ日本人の平均タンパク質摂取量は「ダイエットブームなどの影響を受け、日本が貧しかった高度成長期と同レベル」とされている。特に自分のように筋トレをしている人間にとっては、過剰を怖がるよりむしろ不足分を積極的にプロテインなどで補うことに合理性がありそうだと結論に至った。
専門家によっては、自分が学習した時期の科学技術に基づく理解で停滞している事がある。だが、いかなる分野も時代の変化とともに常識が覆されることはよくある。一度、疑わなくなってしまったら間違った知識を広げることになる。これは主張を聞く人が被害を被るばかりか、専門家自身の権威を落としてしまうのでとても恐ろしいことだ。