2002年には、日本の高校3年生に当たる世代の5人に一人が、大麻ではない違法薬物を使用していたらしいが、 2022 年には、12.5人に一人まで低下していた。しかし、近年、フェンタニル(強い鎮痛作用を示すオピオイド)を含む違法錠剤が流通するようになり、これが青少年の過剰摂取死亡の75%に関与していると推測されている。日本ではドラッグストアで販売されている薬剤の過剰摂取が問題視されているが、今後、違法薬物の流入に注意する必要がある。

若い人たちの合法・違法薬物の過剰摂取(違法薬物摂取は過剰でなくとも回避すべき)による死をなくすためには、教育が重要だ。興味本位で摂取するケースもあるだろうし、精神的・社会的な問題を抱えているケースもあるだろう。社会的な孤立を防ぐことやメンタルケアも大事だし、これらの薬物の摂取が取り戻すことができないような健康被害につながることも伝えていく必要がある。

編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2024年1月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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