やる気より環境整備

個人的には「やる気」といった水物で頼りないものを拠り所にする戦略が間違っており、「環境整備」といった盤石で再現性の高い工夫で取り組む戦略こそが重要と考える。

自分は高校までまったく勉強ができなかったので、通っていた学校も良くなかった。不良ばかりで勉強をする姿を見せると「ガリ勉くんダサい」とバカにされてしまう環境だった。図書館もヤンキーのたまり場だ。このような環境ではどんな人もダメになる。やる気なんてどうやっても出しようがない。強力なブレーキがあるためだ。

しかし、進学校にいけばやる気は自然発生的に湧き上がる。勉強しやすい静かな空間、周囲が当たり前のように長時間勉強して前向きな言葉で溢れている。どれだけ勉強嫌いでも確実に触発される。しかも効果は長期で持続する。こちらの方が一時的なやる気頼みより、よほど信頼性も再現性も高い。

自分は米国の大学留学先で、授業開始前に教室で前列の席を順番待ちしている様子を見たり、外資系企業で夜中3時まで働く外国人社員の姿を見て大いに触発され、「自分も負けないぞ」と自然に思うようになった。

やる気を外部に求めてばかりいる人の話を聞くと、今の環境が悪いままで頑張ろうとしていることが少なくない。周囲に自分の頑張りを応援、理解してくれる人が皆無だったり、睡眠不足や栄養不足だったり、落ち着いて集中できる空間や時間がなかったりする。これではどれだけやる気アップをしても、環境が悪いのですぐにやる気の火が消える。やる気がないと始められないのは環境が悪い。まずは環境を整えることが先決だろう。

筆者は本気で勉強や仕事を決意してから、「やる気アップ」という概念を意識したことはない。徹底的に頑張るための環境整備を整えてきたからだ。環境が整っているのでまずやる、やるからやる気なんて無制限に自家発電できるのだ。

 

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