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いま、組織の在り方は大きく変わることが求められている。 この時代の流れで生き残るだけでなく、成長し続けるために、まず、リーダーが変わらなければならない。

「新しいリーダーの教科書」(今井千尋 著)あさ出版

「リーダー」とは何か

「ほとんどの人が『リーダー』とは何かを知らない」と今井さんは指摘する。

「リーダー候補者からよく聞こえてくる声があります。 それは、『リーダーになんてなりたくない。 そんな力はない』『自分はリーダーの器ではない』『自分よりも相応しい人がたくさんいる』といった不安を訴える声です。ところが、 『リーダー』とは何ですか?』と尋ねると、 ほとんどの方が口をつぐみます。経験していないこともあり知らないのです」(今井さん)

「リーダーという巨大で偉大な幻想を勝手に自分の中につくり出し、その大きな存在に圧倒されているような状況です。まだ経験していないのですから、 “知らない”のは当然と言えば当然ですよね。同じ質問をすでにリーダーをされている方向けの研修の場で尋ねることもあります。 さて、どんな答えが出てくると思いますか」(同)

経験者でも明確な言葉で答えられる人は、多くないと今井さんは言う。では、リーダーとはいったい何者なのか。

「皆さんはいかがでしょうか。『リーダーとは何ですか?』と尋ねられたら、 どう答えますか?さらに、質問です。『その答えは、正しいでしょうか?』。なぜ、このようなことを質問するのか。それは、リーダーという仕事について悩んでいる方のほとんどが、そもそも『リーダーとは何か』、 『リーダーの仕事とは何か』、を理解できていないからです」(今井さん)

リーダーとして仕事をするには、 まず、 リーダーの仕事の根幹は何かについて理解しなければならない。リーダーとしての「あるべき姿」を理解することである。