黒坂岳央です。

「仕事の主目的はお金を頂くこと」これは疑いようもない事実だろう。どんなにきれいごとをいっても、お金がなければ人は生きていくことができない。

しかし、仕事に求める対価が「お金だけ」でも続けることは難しい。マズローの欲求段階説で証明されている通り、人が幸せになるには自己実現欲求にたどり着く必要がある。しかし、お金だけでは承認欲求の壁を本質的な意味合いで超えることができないのだ。

実はお金以外の仕事の対価にこそ、人生を充実させてくれるものがあると思っている。

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1.スキルや知識

お金以外の仕事の対価の1つ目は、スキルや知識だ。

人間は学ぶ動物である。母親のお腹の中にいる段階から、音を通じて外界からの情報や刺激を積極的に獲得しに行くし、何歳からでも人間は学んで賢くなることができる(ただし、学び方を間違えないことが重要だ)。

できなかったことができるようになる、知らなかったことや知りたかったことを学ぶ、これは誰にとっても心ときめく楽しいことである。世の中には様々な手段で知識技術が提供されているが、仕事を通じてでなければ身につかないものは少なくない。

たとえば人前でわかりやすく論理的、かつ退屈しないように話すには受け身で学ぶのではなく、数多くの場数を踏む必要がある。自分の場合、この取得に仕事での実践を通じて3年以上の期間を要した。ただ本で学ぶだけでは絶対に今の水準に到達していないと言い切れる。つまり、仕事がスキルや知識を授けてくれたと言える。これが自分自身のビジネスマンとしてのアイデンティティになり、そして自信になっている。