Q. それでは高く転売するのは問題ないですね?

転売屋が高く売ってもメーカーの利益は変わらないのですが、ユーザーが文句をいうので、先着順や抽選などで定価を守っています。これではいそがしい人は買えないので、転売屋が行列に並んで高値で転売するわけです。それを買う人は、行列に並ぶコストを上乗せして買っているわけですから、他人が文句をいってもしょうがない。

Q. それでは本当にほしい人が買えなんじゃありませんか?

「本当にほしい人」とはどういう人でしょうか。それを自己申告させると、全員が「本当にほしい」と答え、だれに売っていいかわかりません。そういうときはいちばん高い値段で買う人が本当にほしい人と考えるのが市場経済のルールです。小売店がオークションで売ればいいのです。

Q. お金持ちが買い占めたらどうするんですか?

買い占めは転売とは別です。マスクやトイレットペーパーのような生活必需品を大量に買い占めると規制対象になりますが、一時的な現象です。高値で売れるのは増産するともうかるというシグナルなので、生産が増えます。

Q. チケットのように増産できない商品もありますね?

いわゆるダフ屋についてはチケット不正転売禁止法という法律がありますが、これは憲法違反(財産権の侵害)の疑いが強い。海外にはチケットの転売サイトが山ほどありますが、これを規制している国はありません。財産権は絶対だというルールが徹底しているからです。

転売サイト

Q. 転売には古物営業の免許が必要ではありませんか?

すべての転売に免許が必要だったら、ヤフオクやメルカリは成り立ちません。古物営業免許は盗品故買を防ぐための制度で、実際にはほとんどの中古品はネットで自由に転売されています。財産権は近代社会の根本原則ですが、日本ではそれを知らない人がまだ多いようです。初等教育の敗北ですね。

 

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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