プーチン大統領も当たり前のように大統領選挙に勝ち、余裕で新たなスタートを切るところでした。そこに起きたのがモスクワ郊外のコンサート会場でのテロ事件でその犯行はイスラム国(IS)が犯行声明を出し、主犯4人で133人も銃撃死亡させました。これは驚くべき展開だろうと思います。

プーチン氏の専門である「諜報屋」としての面目は丸つぶれ、おまけに今後はウクライナと共にISにも目を光らせなくてはいけないという二面防御と攻撃を余儀なくさせられます。おまけにウクライナは同国がその戦場ですが、テロはロシア国内がその戦いの場であります。これは報道以上の衝撃がプーチン氏にあると思います。まさに大統領選の勝利の美酒が一夜にして暗転であります。

ほぼ全ての人に順風満帆な日々に突然訪れる暗転のリスクがあります。自動車を運転していて事故の加害者になる、病院でガンを宣告された、自分の家族内で警察沙汰の事件が起きた、自分の部下が不正を働いていた、会社が倒産した…いくらでもあります。

これを乗り越えるのはたやすくありません。私は自分なりにかなり厳しいハードルを何度か乗り越えてきました。それでかいくぐってきた今気に留めていることは想像できないリスクに対するメンタル的な対策です。それは諦めとやり直しのための発想転換でもあります。

問題が生じた時、人は腐りやすくなります。自暴自棄となり、なかなか再生できない人もいます。それを一晩寝て気持ちを切り替えることができるか、明らかになったその事実を自分の中で受け止めた上で再起する決意があるか、です。

もちろん、こんな軽薄な一言二言では「出来るわけないだろう」と仰ると思います。ただ、「災いは忘れたころにやって来る」は全ての日本人のハートに刻まれた言葉ですが、この災いとは災害だけではなく、自分の人生の根幹を崩すことも含まれるのだと私は考えています。

だからこそ、今日をしっかり生きてそれに感謝することだと思います。まるで宗教じみていますが、案外そんなところが落としどころなのではないでしょうか?言い換えれば今日までの人生に悔いはないのか、120%のチカラで走ってきて、突然そのレールが切れたとしても後悔なく、新たな開拓者となれるか、です。その強さがあれば一夜にして暗転するリスクも和らげられるのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年3月24日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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