LINE公式の強みとはなにか
中川さんはLINE公式には、ほかのSNSにはない強みがあると主張する。
「それは、お金をかけずにマーケティングが簡単にできる事です。大手企業はマーケティングにお金と時間を投資します。ですが、個人が大手企業のようにマーケティングにお金と時間を投資するのは難しいと思います。お金と時間をかけないマーケティングを可能とするのがLINE公式なのです」(中川さん)
「LINE公式の機能の一つに『分析機能』があり、お友達登録している人の年齢層や男女比、地域、流入経路など様々なデータを知ることができます。LINE公式に没頭した結果、LINE公式は使い方によっては登録者の興味が即座に知れると分かり、その強みを活かした配信に変えました」(同)
さらに、魅力的な価値があると、中川さんは次のように続ける。
「数年前までLINE公式は、中小企業向けの『LINE@』、大手企業向けの旧『LINE公式』に分かれていました。『LINE@』はメルマガのような機能しか使えないのに対して旧『LINE公式』は動画配信、リッチメニュー、分析など多数の機能が備わっていました。月額費用が250万円以上という高額なサービスで個人が利用できるものではありませんでした」(中川さん)
メルマガからLINEへ「ですが、2019年4月に『LINE@』と旧『LINE公式』が統合され、新『LINE公式』がスタートしました。ただ統合しただけではなく大手企業が毎月250万円以上のお金を支払っていた機能がそのまま無料で使えるようになったのです」(同)
従来、顧客とのコミュニケーション手段の中心はメルマガだった。しかし、メルマガはフィルターがかかるようになり、相手に届かなくなった。さらに、LINEの登場により、メールを使用しなくなり、メルマガ自体が読まれなくなっていった。
驚くべきことは、LINEの開封率がメルマガ全盛期のメルマガ開封率の5倍以上という点だろう。さらに、メッセージからのクリック率はメルマガの30倍以上という数値もある。スマホに特化した機能により、タップすれば電話が掛けられたり、メールを送れたり、Webに誘導することが簡単にできるようになった。
LINEは無料でスタートしてビジネスで課金をするビジネスモデルである。リアルタイムに反応があり、クリック率が高く、開封率まで高いのなら、利用しない手はないということ。LINE公式は伝えたい事が相手に届く確率が一番高いSNSと言えるのかも知れない。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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中川匠統さんのHP(キンパっつぁんと仲間たち)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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